結婚式でバックバンド as はんじゅくたまご

tantanso2006-07-01


とある流れで新郎も新婦も存じ上げない結婚式で演奏することになりました。
当事者意識のない結婚式、というのは非常に新鮮でございました。

演奏はジャズ&ポップス主体のイージーリスニング、っていうんですか。ご歓談中に流れているので気楽にやっていたのですが、時間調整をしたり、知っていると思っていた曲でも譜面には思わぬ展開が書かれていたりして、スリリングでした。しかしこういうところで他の人の音を聴いている人とそうでない人がよくわかるのですが、今回の演奏者はよく他の音を聴いているので、音だけでお互いにコミュニケーションをして、盛り上げたり静かにしたりキリのいい所で終わったり自由自在で楽しい演奏でした。アイコンタクトもない、これぞブラジルのサッカーだな、って感じでした。(当日セレソンは負けたけど)

最後に新郎がおもむろに出てきて我々と一緒に「美女と野獣」と「星に願いを」をトランペットで演奏し、列席者のみなさんは感動していたようでした。いやーおいしいところ持っていく演出だなあ、と思っていたら。。。

最後の両親への挨拶で新婦がやおら三線を取り出し(新郎もだれも彼女が三線を習っていることを知らなかった)二人のなれそめから親への気持ちを弾き語り始めました。その朴訥な演奏、歌声にはみんなノックアウトされました。不覚にも私、全くの部外者にも関わらずかなり感動いたしました。いいなあ、こういう結婚式。

そして感動のうちに結婚式は幕を閉じたのでした。バンドは「世界にひとつだけの花」で皆さんをお見送り。するとピアノの人と列席者の一人(女性)が話しています。演奏しながらしゃべるってすごいなあ、知り合いなのかな、と思っていると演奏を一度止めました。少しお酒に酔って上気した顔の彼女はリクエストしたいのだそうです。
君の瞳に恋してる
「お金払うから「君の瞳に恋してる」やってください」

君の瞳に恋してる?どんな曲なのでしょうか。ピアノは知っているらしくフレーズを引いてくれます。あ、この曲か。超有名なディスコの曲ですね。こんな感じで弾けばいいのかな。するとドラムも入ってきます。

「すごーい」彼女の瞳が輝き、顔はうれしさではちきれんばかり。彼女は今至高の境地なのでしょうね。
彼女はひとしきり聴いたあと、非常に満足して帰って行きました。でもお金は払ってくれませんでした(笑)

こういう「予期せぬハプニング」に何とか対応する、これもミュージシャンとしての幅を試される面白い時間です。
幅のある人と一緒に音で楽しい時間を過ごす。まさに「音楽」な一日でした。