祝日チョイ乗りの落とし穴

今日は天気もよかったので息子に「久しぶりにバイク乗ってみる?」と聞いた。
「うん、行こう行こう!」とよい返事が返ってきたので早速出発。先に図書館で延滞している本を返してから東京タワーでも見に行くベ、とまずは図書館に。本を返して彼は何冊かまたマンガ本を借り、いざ東京タワーへ出発。セルを回すが「カチン」と音がしたのちに全くの静寂が訪れ、何も起こらない。IG-ONなのにインジケータも全て消灯し、こちらはバイクに何か不具合が起こったことを知らせている。

困った。ここはガレージから直線距離で2km以上離れており、押して帰ることは不可能。ディーラーに電話して取りに来てもらうかあ。ロードサービスがついてたクレジットカード持ってたよなあ、などこの状況をいかにして脱出するかフル回転で考える。

そこへ息子。「動かないの?じゃ借りてきた本出して。」

本を出すと路側にしゃがみ、熱心に本を読み始める。おいおい。。。

スイッチを見ると殺人光線を出す補助灯がOnになっている。これで電気食い過ぎてブレーカーが落ちたのかも。前回もそうだったけどブレーカーが何分かで復帰するはずだから少し待てばエンジンがかかるはず。落ち着いて何分か待とう。ヘルメットと上着を脱いで少し待ち、イグニッションスイッチを回してみる。

何も光らず。。。

できることをしよう。路上に工具を出してシートを外す。ヒューズを点検。すべて問題なし。ブレーカーを見てみる。これは外からでは落ちているのか導通しているのかわからないが、焦げたりショートしたりはしていない。配線もとくに異常なところはないが、あれ? バッテリーの端子につながっている配線がグラグラ動く。プラスもマイナスも両方。接続するボルトを外してみてみると放電して軽く溶接されたスパッタ痕がねじ部についている。

ああ、これだ。

「とーちゃん壊れているところわかったよ!」

「あ、そう」

息子は本から眼も上げずに答える。ううむ。。。今回夏に車検を取る際にバッテリーを交換したが、その時に締め具合が足りなかったのだろう。あと横着して端子へのグリース塗布を怠ったので、火花が飛んでしまったのだろう。。。ボルトの相方のナットを外し、少しずつ嵌め合わせてスパッタ痕を根気よく除去してゆく。なんとか除去し、ボルトは再利用可能に。それでしっかりと組み直し、イグニッションスイッチを回す。

光った。

セルを回す。

小気味よくセルは回り、エンジンがかかった。

「治ったよ!」

「あ、そう」

やはり眼を本から離さない。シートやカバー、取り外した部品を取り付けて工具を片付け、

「お待たせ!さあ出発しようか」

「はいよ〜 ところで何かしおりになるものない?」

あくまでクールな息子と、ヘトヘトになった父ちゃんを乗せ、バイクは一路東京タワーを目指すのであった。