こでんまちょう?

今日地下鉄日比谷線で銀座方面から秋葉原まで行った。

築地を過ぎて半分ウトウトしていると「小伝馬町」という表示が目にとまった。次で秋葉原だ。ふと幼いときの記憶が甦った。


さいころは広島に住んでいて、たまに母親の実家のある埼玉県草加市に行った。新幹線(それが開通する前はブルートレイン)に乗って東京駅に着き、山手線か京浜東北線秋葉原まで行き、そこから日比谷線に乗り換えて草加に向かうのだ。小さいころは所謂「鉄ちゃん」だったので、よく覚えている。

秋葉原の地下鉄のホームで待っていると、まず列車の接近を告げるサインが点灯する。「次の電車は こでんまちょう を出ました」と書いてあったはずだ。広島の自宅から草加の実家までの道のりは何回も通ったので自分の中でも一本の線になっていて、ぜんぜん怖くないのだが、その線から少しでも外はもう宇宙の果ての外側だった。そういう内気な子供だった。

「こでんまちょう」はその頓狂な語感と相まって、自分の領域の外側、未知な領域を示すサインだったのだ。

今は何もなかったように居眠りして通り過ぎるのだが。