野火 / 大岡昇平

野火(のび) (新潮文庫)
尊敬する大先輩が定年退職するときに一人一人に本を送ってくれた。私には野火。
「貴方はこれからもっともっと厳しい目に会わなければいけない。そのためにはこの本を読んでおくとよい」
お言葉の通り、かなりキツい本でした。私の世界で1番嫌いな映画は「ディア・ハンター」なんだけど、それに勝るとも劣らず、これは映画化できないよな、という本でした。
でも、彼の言葉を少し理解できたような気がしました。普段は諸事に隠れてしまって見えないけれど、我々は本来何者なのか。考えるヒトと獣を分けるものは何なのか。少し強くなれたような気がしました。