一粒の柿の種―サイエンスコミュニケーションの広がり / 渡辺 政隆

科学を一般の人にもわかりやすく話すサイエンスコミュニケーションの重要性を説いた本。確かに今時の技術者、研究者って専門が細分化され過ぎていて一般の人にわかる言葉ではしゃべれていないよね。学会なんかに行っても1mmも言ってることがわからない報告が…

たった3秒のパソコン術 / 中山 真敬

私、いわゆるハウツーものは嫌いなんですけれども、パソコンを使うのが早くなったら便利だろうなあと思っていました。以前会社のコンピータの具合が悪くなった時に、IT部門のおねいさんが診に来てくれて、マウスを使わずにキーボードだけでいろんな画面を操…

いつまでもデブと思うなよ / 岡田斗司夫

図書館で偶然見つけたので借りてみました。昔はやってたよなーと思いながら。 読んでみるとさすが岡田斗司夫、非常に緻密で冷徹な分析、それに基づく大胆な仮説の提示にいたるプロセスは天下一品です。なぜ太るのか?太る人と太らない人の違いはどこなのか?…

源氏物語と路上(またはオン・ザ・ロード)の類似性

源氏物語をまだ読んだことがなかったので、「瀬戸内寂聴の源氏物語 全1冊」というお手軽な本を読み始めた。まだ読み始めなのだが、どうも先に読んだ「路上」のディーンと源氏の君がカブる。全1冊だからかなり簡潔な訳になっており、その文体がケルアックとカ…

フリーマガジン ElectricGuitar

スタジオで見つけ、一緒に練習してた人から「この雑誌面白いよ」と言われ手に取り、昨日電車の中で読んだ。サブタイトルからしてふるっている。 「ロックギター、アンプ、エフェクター、レコーディング機器などの物欲を駆り立てるお勉強マガジン」これはギタ…

オン・ザ・ロード / ジャック・ケルアック

結構時間がかかったけど新訳も読み終えました。感想は「やっぱ今読むなら新訳のほうがいいなあ」っす。どちらか選べ、と言われたら迷わず新訳でしょうね。まあこの本が出て初めて訳されたのが約50年前だから、日本語も結構変わっているよね。古い訳では何を…

「路上」か「オン・ザ・ロード」か

やはり新訳も読んでみたくなり「オン・ザ・ロード」を今日手に入れた。さすが世界文学全集だけあってその分厚さにまたおののいたが、読むのが楽しみだ。付録みたいな感じで池澤夏樹の短いコラムがついていたので、今日はそれだけ読んだ。なぜ新訳にした際に…

路上 / ジャック・ケルアック

今までトライしたことのなかったビートニクス文学の金字塔。最近新訳が出たり、何故かそれが今年から刊行が始まった池澤夏樹個人編集の世界文学全集の初巻に収められたり、と話題になっていたので読んでみたいなあ、と思ってたらウチに文庫があった。文庫本…

カイト・ランナー / カーレド・ホッセイニ

6月に難民映画祭というのが東京で開かれていた。この映画祭の最後に上映されたのが「君のためなら何回でも(原題:Kite Runner)」だった。見に行きたかったけど教えてもらったのがその日だったので、逡巡していた。調べてみると原作が邦訳されていることが…

まいど!横山です / 横山やすし

なんとなく昔から横山やすし、という人が気になっている。大田区が誇るやすしーずというバンドもあるし(笑) 彼が書いた本が何冊かあるということなので読んでみた。この本の前にもう一冊、「遺作 横山やすし日記―浪速男の意地、笑い、涙」という本を読んだの…

叱り叱られ / 山口隆

なぜ私が岡林信康に行ってしまったのか、という答えがこの本です。サンボマスターの山口隆が6人の音楽界のカリスマと対談する、という破天荒な本。だってその6人はほんと「ネ申」レベルですよ。山下達郎、大滝詠一、岡林信康、ムッシュかまやつ、佐野元春、…

太りゆく人類―肥満遺伝子と過食社会

勝間和代ご推薦の本だったし、なぜ人間(私と言い換えた方がより正しいが)は太るのかを知りたかったので読んでみた。同じ量食べても太る人と太らない人がいる。太ることは意志の問題だ、と言われているけれど、そうでもないような気がしたので。結論から言…

いのちの食べかた / 森達也

これも森達也。彼は屠場に出かけて豚や牛がどのように殺され、肉に代わってゆくのかを執拗におっかけている。この屠殺および食肉化のプロセスはなかなかメディアに取り上げられることがない。しかし誰かがこのプロセスをしないと人間は肉を食べられないわけ…

放送禁止歌 / 森達也

この本は面白くて一日で一気に読んでしまった。日本には「放送禁止歌」という公共放送にのせてはいけない歌がある。それはどうして放送できなくなったのか、というドキュメンタリー番組を作った作者がその後の取材も含めて本にまとめたもの。「放送禁止歌」…

子どもへのまなざし / 佐々木 正美

今まで育児書を結構な量読みましたが、これは出色です。というかお父さんお母さんになる人はまずこの本を読むことから始めるとよいと思います。確かに講演をまとめたものなので、きっちりまとまっているか、というとそうではなく、冗長なところもあります。…

らも―中島らもとの三十五年 / 中島美代子

ううむ。という本だった。まずこの本を掲載した朝日新聞の書評欄に文句を言いたい。私は朝日の日曜の書評を実は熟読していて、ここに掲載されたから読んでみる、という本が結構多い。今どきのベストセラーだけでなく、骨のある本が多く紹介されているので、…

32歳ガン漂流 エヴォリューション/奥山貴宏

前に読んでいた31歳ガン漂流の続編。前作より洗練度が上がっているというか、ガンのことだけ書いてあるのではなく、彼が様々なものごとに対してどのように考えているのか、ということがよくわかる構成になっている。そんなことを思いながら読んだのだが、書…

マルコムX自伝

実は一週間以上ろくに音楽も聴かずこの本を読んでいました。私の今や人生の師、ピーター・バラカン様がラジオで「私の人生を変えた本」とおっしゃるものだからさあ大変。早速図書館で借りてきました。またこの本の装丁が素晴らしいではありませんか。読む前…

さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

そろそろ図書館でも読めるだろうと思って検索してみたらまんまと借りられました。非常に読みやすく会社の行き帰りの電車の中で2日で読み終わってしまいました。売れるだけあって確かによくできた本です。難しい会計の知識を日常生活にありそうな場面を例にあ…

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

昨日2時までかかって一気に読んでしまいました。いい本ですねえ。この人の人間観察能力、というか心の機微を正確に描写する能力ってすごいと思いました。そしてこの本、作者の伝えたいことがぎゅーっとたくさんつまっているなあ、彼の熱い思いを感じました。…

宿六

こういう表現があるのをはじめて知りました。私も世が世なら「うちの宿六はまったく仕事もしないでフラフラしてますよぉ。」なんて言われるのであろうか。 宿六(やどろく) 一家の主(あるじ)のことを卑下して、または、親愛の情を込めていう呼び方。特に…

死の壁/養老孟司

もともと誰かに語っている内容を文章に起こして本にした、という「バカの壁」第2弾なので語り口は非常にやさしく、簡単に読める本でした。ただ、彼がこの本で言おうとしていることにいくつか激しくうなずくことがありました。昔は自分と他者の境界は今ほど明…

死にカタログ

図書館で偶然見つけて借りました。このイラストってJTの「大人たばこ養成講座」と同じ人です。このイラストのタッチが好きだったのでゲット。内容は、初心者向けです(笑)平易に死についての考察がいろいろなされているので、考え始めにはよい本です。し…

夜回り先生

これもベストセラーのようですね。育児書としてもすばらしい、という書評を読んだので図書館で借りてみました。しかし字数が非常に少なく、30分ほどで読み終わってしまいました。これはねえ。。。コメントの難しい本ですね。確かに彼、水谷先生のしているこ…

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる

ネットの住人たちの間でも、また巷の人たちの間でも話題になっているこの本、ものすごいベストセラーになっちゃったんですね。1ヶ月ほど前に買ったのですが、今日読み終わりました。たしかにベストセラーになる本ですね。今インターネットで起こっているこ…

国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて

ある人に猛烈に勧められて、ずーっと読んでみたかったのだけどなかなか読めず、やっとこの間読み終わりました。すごい本です。猛烈に勧められた理由がわかりました。この本はある意味後世に残っていく価値のある本だと思います。人生を豊かにすると思います…

ビッグイシュー

会社の帰り、有楽町の駅前で「ビッグイシュー!」とダミ声を張り上げている人がいた。見ると労働者階級っぽい身なりの人が雑誌を頭の上に掲げて売っていた。これがホームレスの人が売っている雑誌、ビッグイシューだ。初めて売っているのを見た。ちょっと彼…

 鶏口となるも牛後となるなかれ

英語で言うとどうなるのでしょうか。Better be the head of a dog than the tail of a lion.Better be first in a village than the second at Rome.面白いです。ちなみに中国語では「寧為鶏口、無為牛後」。原典ははっきりしません。紀元前の本に、巷のこと…

群集心理に関する寓話

読んでいた本に面白い話が載っていたので引用。ベンジャミン・グレアムという投資家が作った物語らしい。 石油の探鉱者が天国に召され、聖ペテロから「あなたが天国に住むことは認められたが、しかし石油関係者の居住地区はいま一杯で、あなたを入れることは…

本を読む新しい形:青空文庫

この間読んだ「死ぬ瞬間」の各章の扉に引用されていた、タゴールの本を読みたいなあと思ってネットで探していたら(こういう古い本はもうなかなか売ってないんだよね(怒))ここに行きつきました。以下のような趣旨で運用されているサイトで、ネット上で古…